アウトドア生活・・・森の手入れ・・・

森、林、木との関わり

私自身は木との関わりは深く心の中に宿っているような気がする。木を育てること、木に触れることが大好きである。それも20代に科学を学び、さらに高分子化学を大学では選択し研究した。その後石油化学の文明に頼って高度成長時代を生きてきた。2000年にこの信州で家を建てるとき新建築材に頼らず、本物の木の家を作りたいと思った。ところが地元の森林がひどく弱り、誰も地元の材木を建築に使う人はまれで、また昔のようにこの材を使う大工さんは到底いなかった。この敷地に住宅一棟分の赤松、落葉松は十分にありそうなことは分かったがどのように利用するか思案に暮れた。最終的に土台は栗と床材は檜を購入し、それ以外の柱材、梁材、壁材、天井材(35㎜無垢材)、外断熱で外装材(15㎜無垢材)は全部ここの赤松、落葉松を使うことにした。まさに地産地消の原点を貫いた。構造材も自然乾燥で一切の防腐処理等に頼らず、接着剤を使った材料は一切使用していない。大きな実験であったが12年たった今満足して生活している。2003年の長野県建築文化賞の奨励賞を受賞した。(建築家は清水和雄氏)http://www.nagano-kenchikushikai.org/bunkasho/bunka-prize1-.htm

森の文明は復活はなるか

森、林の大切さは最近ようやく話題になりだした。地球環境問題で重要なことも指摘され、また災害時、緊急時でも木、林、森は重要である。それよりも日々の生活で又は生活環境でどれ程大切かも多くの方が語ってきたが一部の動きでしかなかった。 木に関する書籍はたくさんある。その一部も紹介したい。「森と人間の文化史」只木良也 NHKブックスにの記述に・・・森は文明の母である。しかし文明という子は石油という他人に懐き、文明は石油がいつか文明を見限り、原子力という恐ろしい人に売り渡そうとしている・・・かつて身近に雑木林があり、薪や炭焼きの材料を採る場所だった。広葉樹は萌芽更新といって切った後切り株から新芽を出し短期間で再生する。里山の文化には日本人の生きる原点がある。それがアウトドア実践の試みであり本物の楽しみが詰まっている。

日本は国土の67%が森林

森林の多い長野県で耳寄りな話:2013年は第62回伊勢神宮遷宮の年、20年に一回すべての社殿を造り替える。記録によれば飛鳥時代の天武天皇が定めなんと1300年続いている。用材は近くから調達しきれず、ここ300年は尾張徳川家の木曽のヒノキが使われてきた。樹齢200年―300年の用材10000本供給してきたがこの木曽赤沢国有林ももうそれほどないとのこと。一方7年に一回の諏訪大社御柱祭は樹齢300年ほどのモミの木を毎回18本必要としてきたが諏訪郊外、茅野郊外の山林もいよいよなくなってきたとか。さて一方で、 2012年「エコプロダクツ2012」で美しい森林づくり全国推進会議、国土緑化推進協議会、経団連自然保護協会 主催のシンポジウムが開催され参加した。 『動き出した、森と木を生かす「グリーンエコノミー」シンポジウム』。わかりにくいタイトルで似たような多くの団体が参加しているのも気になるがテーマはよく理解できる。要するに輸入材よりもっと国産材を使い林業事業の再生したい。そうしなければ日本の森林は荒廃してしまう、という主旨であると理解した。これは国、林野庁が主体になってきちんと政策を実行することだと思う。

裏庭の樹木

この敷地は半世紀前に赤松、唐松が植林された。約50年放置され積極的に手入れ、又は新たに植林されることもなかった。敷地一角に住宅を建ててから裏庭は機会あるごとに赤松、唐松を伐採して広葉樹を意識的に残した。夏は葉が茂り、冬は明るい林になった。そして野鳥が来て季節ごとに実は運ばれる。この敷地の主な樹木はリストに挙げたら30種類もの樹木があった。もう少し詳しく調べれば、さらに10種類はありそうだ。

マンサク バンコウバイ モズ ニワウメの花 ミツバツツジ ハンノキ坂 旧東中学校の桜 牧の桜 東部中の枝垂桜 長桂寺の桜 イチョウ ヤマザクラ

0301アカマツ針葉樹 マツ科 この敷地にまだ10本ほどある。植樹林で樹齢は60-70年、かつてこの敷地には樹齢50年の赤松、唐松が多くあり2000年に伐採し「木づくしの家」を建てた。梁、内壁材に無垢材でふんだんに使用した。特に最近はこの近辺で松くい虫で枯れるものが多発、倒木もあり問題になっている。
0302アケビアケビ科落葉つる性小木本 この敷地ににはおおく自生しているが日射不足で十分に育たない。花軸の花のほうに淡い紫色の雄花を数個、元のほうに紅紫色の雌花をつける。
0303イタヤカエデカエデ科カエデ科カエデ属 直立して樹高15-20mになる落葉高木、ブナ林のなかでは耐陰性(日影に耐えて生育する性質)
0304イチョウ Ginkgo bilobaイチョウ科イチョウ科 中国原産 雌花には銀杏がなり材はまな板や彫刻材、小石川公園より採種実生13年
0305イチイ Taxus cuspidataイチイ科深山にはえる常緑高木、葉は極めて細かく赤い実がなる。裏庭には鳥が運ぶ自生樹。
0306イロハモミジ Acer palmatumカエデ科カエデ属 樹高15mほどになる落葉高木。日当たりのよい場所でよく伸びる。葉は小さく3.5-6cm、別名タカオモミジ
0307ウメ Prunus mumeバラ科 購入苗、苦難の梅、虫にやら得たと思ったら2011年木の伐採の犠牲に再出発
0308ウワズミザクラバラ科サクラ属 自生紅葉が美しい50-60年、敷地内に3本ほど大木がある。
0309ウコギウコギ科 落葉低木で生垣に使われる。細かい刺を持つ。新芽のおしたし、てんぷらなど山菜料理。五加木垣都の客を覗きけり
0310ウリハダカエデカエデ科バラ科サクラ属 自生紅葉が美しい50-60年、敷地内に3本ほど大木がある。
0311エノキニレ科エノキ属 「神の宿る木」として万葉集にうたわれている。自生20年くらい。玄関前に残した。シンボル的樹木。
0312エンジュニレ科エノキ属漢字では「槐」と書く、ルチンという色素を含む花は黄色染料になる。中国では高貴な樹木とされている。
0313オオモミジカエデ科カエデ属 自生している赤、黄、気になるカエデ紅葉を楽しめる
0314カキ Persimmonカキノキ科食べておいしい甘柿の実を蒔いて成長させたもの(千葉県にて)2001年に苗を植えて12年目にして実が10個ほどなった。
0315ガマズミマンサク科マンサク属購入苗すでに15年は経過冬に咲く目立たない。
0316カラタチ Trifoliate orangeミカン科寒冷地でも育つ唯一のかんきつ類。白い花が咲く。2012年に類似品購入。苗が手に入らない。昔はどこおにも垣根としてあったのに!
0317カラマツ Larch落葉樹 マツ科カラマツ属落葉高木 60年前に植林されものが多くあり2000年には30本伐採しこの住宅の柱材、梁材、壁材に使用した。芯は赤く美しい。
0318カシワ  柏 Oakブナ科 ナラ・カシ類落葉高木樹皮に深い裂け目がある。葉は柏餅を包む 樹皮は染料になる。 どんぐりの実がなる。
0319キンモクセイ 金木犀モクセイ科常緑小高木 漢字で金木犀 10月頃、橙黄色の小花を密に束生し香りは濃厚で甘い。購入苗2011年
0320クワ Mulberyクワ科クワ科クワ属 自生。養蚕の盛んであった時代の名残り。桑グミは美味しい楽しみであった。ジャム又は果実酒(ブランデー、焼酎)貴重な酒になりそう。「夕映えの一村囲む桑若葉」
0321クヌギ 椚 Oakブナ科コナラ属 椚と書く。英語のOakはカシワ、カシ、ナラ、クヌギなどの総称 小金井公園でどんぐりを拾って埋めた。実生で5年物ものがあるが10㎡以上になった。
0322クルミ胡桃 Walnutクルミ科胡桃と書く。山野にはえる落葉高木 種子は食用 裏庭の胡桃は実生で約10年高さ3mほどに成長。
0323クリ 栗 Chestnutブナ科クリ属落葉高木 英語名チェスナッツ 落葉高木20-30mになる。住宅建築では土台に使われる。理由は白蟻や腐朽菌に有効なタンニンを含む。敷地に樹齢100年山栗がある。
0324ケヤキ 欅 Zelkovaニレ科ケヤキ属幹は直立して扇形になる。樹高は20m以上になる。
0325ゲッケイジュ 月桂樹クスノキ科ゲッケイジュ属クスノキ科 ローレルともいう。香味料 購入苗。燻製の下処理用によく使う。
0326コナラ 小楢ブナ科コナラ属小金井公園のドングリから実生で育つ。葉の先端部太い、薪材に最適、シイタケ栽培のホダ材
0327コブシ 満作マンサク科マンサク属購入苗すでに15年は経過冬に咲く目立たない。
0328サクラ類バラ科サクラ属 貴重な種はヤマザクラ。鳥が種を運んで芽を出し成長している。購入苗は八重桜「楊貴妃」
0329ザクロ 柘榴ザクロ科ザクロ属ザクロ科 柘榴と書く。移植したもの
0330サンショウ 山椒ミカン科サンショウ属ミカン科 自生:雄雌あり赤い実 若い歯を摘んで作るサンショ味噌は五平餅に欠かせない。
0331サワラ 椹ヒノキ科ヒノキ属 常緑高木 葉はヒノキに極似、裏がヒノキより白色系 自生したものが多い。
0332シラカバ 白樺カバノキ科カバノキ属購入苗すでに15年は経過冬に咲く目立たない。
0333ジンチョウゲ 沈丁花ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属購入苗、花の香りがどこまでも漂う
0334タケ類タケ類購入苗すでに15年は経過冬に咲く目立たない。
0335ダンコウバイ 檀香梅クスノキ科クロモジ属自生 冬のうちに淡い黄色に花、紅葉も大きな葉が淡い黄色になる。
0336ツゲ 黄楊ツゲ科ツゲ属自生 常緑樹
0337トチノキ 栃木トチノキ科トチノキ属移植。掌を広げたような大きな葉が印象的。コシアブラに類似 小葉が5枚以上、小葉に枝がないのが特徴
0338ナツメ マンサク科マンサク属購入苗すでに15年は経過冬に咲く目立たない。
0339ナラ類ブナ科コナラ属主にコナラとミズナラ 葉の先端部分で広くなる。かつて薪炭林の代表種、カシワ、クリ、クヌギ、アベマキもこの仲間
0340ナンテン 南天メギ科ナンテン属「難を転じる」にかけて縁起のよい木として昔から庭木や正月飾りにされる。
0341ニセアカシア 別名ハリエンジュマメ科ハリエンジュ属マメ科ハリエンジュ属 自生繁殖力旺盛
0342ハナミズキ 花水木ミズキ科ヤマボウシ属アメリカ版ヤマボウシ 購入苗2000年
0343ハナモモ 花桃バラ科サクラ属桃の観賞用栽培種 苗入手2011年
0344ヒノキ 檜ヒノキ科ヒノキ属 常緑高木で壮齢木の樹高は30-40mになる。植樹
0345ヒイラギ 柊モクセイ科モクセイ属ヒイラギモクセイ、ギンモクセイも同類
0346ブナ ブナ科ブナ属10年たって10m以上になる。枯れた葉は翌春まで落ちない。 購入苗
0347ボケ 別名カラボケ唐木瓜バラ科ボケ属カリン花梨 中国産
0348マサキ 正木針葉樹 マツ科ニシキギ科ニシキギ属 正月のしめ縄に赤い実の付いた小枝を着ける。この辺では垣根、庭木に必ずある。正木又は柾と書く
0349マンサク 満作マンサク科マンサク属購入苗すでに15年は経過冬に咲く目立たない。
0350ミズキ 水木ミズキ科ミズキ属5月から6月上旬に散房状花序をつけ、径6-7mmの白色の小花を密生。10月頃径6mm位の紫黒色の球形の果実をつける。樹高は20m位で段状に広がる。先のほうは鹿の角のような枝振り。
0351ミズナラ 水楢ブナ科ナラ属垣根に使われ赤い実がなる。常緑針葉樹、雌雄異株で20mほどの高木になる。芯材は赤い。果実は甘く食用ただし種子にアルカロイドのタキシンが含まれ有毒、葉にも含まれる。
0352ムラサキシキブ 紫式部マンサク科マンサク属購入苗すでに15年は経過冬に咲く目立たない。
0353モミ 樅マツ科モミ属マツ科モミ属属 常緑針葉樹 別名クリスマスツリー、諏訪の御柱用樹木、裏庭に自然林が一本ある。
0354ヤマウルシ 山漆ウルシ科ウルシ属乾いたところに生える。樹液にかぶれる。
0355ヤマザクラ 山桜バラ科サクラ属逆三角形の樹形で樹高は15mほど。
0356ヤマツツジ 山躑躅ツツジ科ツツジ属科樹高は1mから3m位。身近な里山や山地の乾いたところに生える
0357ヤマブキ 山吹バラ科ヤナブキ属根元から多数の幹を出す。全国里山や山地に生える。
0358ヤマボウシ 山法師ミズキ科ヤマボウシ属幹はほぼ直立し枝を面状に広げる。梅雨の時期に清楚な白花をつける。 

樹木に関す書籍

◇森と人間の文化史(只木良也 NHKブックス)、ブナの森と生きる(北村昌美 PHP新書、雑木林に出かけよう(八田洋章 朝日新聞社)大工棟梁の知恵袋(森谷春夫 講談社)森と暮らす、森に学ぶ(柳生博 講談社)日本の樹木(辻井達一 中公新書)木の手帳(小学館)やさしい庭木事典1,2,3(主婦と生活社)その他多数

樹木、建築に関するリンク集

◆上伊那森林組合



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